先ほど通貨高競争の記事を書いた。各国が利上げをして自国通貨を防衛している。今はアメリカドル一強なんだ。各国とも景気動向を気にしつつインフレも気にしつつ綱渡りの金融政策と財政政策をしている。利上げしたくないけど基軸通貨のアメリカが利上げすると自国通貨防衛のために利上げせざるを得ない苦しい状況だ。スタグフレーション状態になっている国も数多くある。
直近までは機関投資家のターゲットはドル・円だった。それがエリザベス女王の死去とトラス英首相の理念なき財政政策で機関投資家のターゲットはポンド・ドルに代わった。コロナ、ウクライナ危機前からイギリス経済はブレグジットによって凋落していた。法人が逃げ出したり、労働者が逃げ出したりしていた。イギリスは明らかに国力が減退していた。 それをトラス英首相 は減税で一気に解決しようとしたが、それが完全に裏目にでた。財政政策は一目見ても雑で、イングランド銀行とのすり合わせもしていなかった。政府と中央銀行のチグハグさが露呈してしまった。そして英国はトリプル安をまねいてしまった。日本としては機関投資家のターゲットが円売りからポンド売りに移った事に安堵しているところもあるだろう。
ポンド・ドルに関してはチャート的にトレンドが出ていているし、ドル一強なので比較的安心だが、ポンド・円は危険である。丁半ばくちと言ってよい。最弱通貨はどっちだと言うのを予想する為替取引になる。優勝争いは予想は簡単だが、最下位争いの予想は難しくて、ほぼ無理だ。円もポンドもどちらも流通量が十分なハードカレンシーである。機関投資家もポジションをもっている。ちょとした事でストップロスを巻き込んだ激しい値動きになるだろう。ニュース自体も人の解釈によって変わる。先ほど「トラス首相は所得税の最高税率を45%から40%に引き下げる案を撤回すると明らかにした」と言うニュースを見た。これなんてポンド高になるのかポンド安になるのか分からない微妙なニュースだ。
不確実で予想ができない取引はしないのは賢明な選択だ。
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