塩野義製薬は開発が終わり治験中の経口薬を厚生労働省に製造販売承認を申請した。条件付き承認にはなるが朗報である。塩野義製薬の手代木功CEOは今の日本で一番忙しく重要なCEOと言ってよい。社員の八割を新型コロナ薬に投入して勝負に出ている。日本中が待ちに待った国産の新型コロナの経口薬が生まれようとしている。
塩野義の経口薬を整理してみよう。
新型コロナの経口薬はすでにファイザーの「パクスロビド」とメルクの「モルヌピラビル」が完成していている。 「パクスロビド」 「モルヌピラビル」 も重症化予防用に使う薬で、最後の砦といった使い方をする。処方も重症化リスクを持つ患者が対象になっている。一方の塩野義の経口薬は重症化リスクのない患者にも投与でき、承認されれば12歳以上であれば広く投与できるようになる。研究室レベルの分析ではオミクロン株にも有効という。しかも治験では、12歳以上の軽症から中等症の感染患者に1日1回、5日間投与した428人分のデータを解析したところ、服用3回目で体内のウイルス量を低下させる効果が確認され、陰性になるまでの日数が2日ほど短縮できると言われている。具体的なウイルス減少の数値は薬の投与を1日1回、3回受けたあとでは、感染性のあるウイルスが検出された人の割合が、薬の用量が多い場合には80%、用量が少ない場合は63%減少しています。
まず経口薬という事、ワクチンの接種の有無に関わらず投与できる事、副作用が少ないという事、服用は1日一回という事など塩野義のコロナ治療薬はずいぶんと処方しやすい薬だと思います。

塩野義のコロナ関係の材料は目白押し。
塩野義の経口薬が「条件付き承認」されても好材料出尽くしにはならないのは材料の山があるから。経口薬だけのスケジュールだけでも凄い。まずは条件付き承認から正式承認、政府の買い上げ、米食品医薬品局(FDA)・欧州医薬品庁(EMA)から承認を受けての世界展開などがある。
そして経口薬以外にも、新型コロナワクチン開発。鼻に噴霧するコロナワクチン開発。島津製作所と共同で進める下水モニタリング等楽しみな材料が目白押しである。
塩野義の経口薬が「条件付き承認」されても好材料出尽くしで値下がりしない理由。
①上記に書いた様に、 塩野義のコロナ関係の材料は目白押し である事。
②塩野義が売上が3000億くらいの比較的小型の株である事。
売上が10兆のメガファーマであるファイザーの株価の上昇が2、3割だったのに対して、小型のモデルナの株価は2018年12月の上場時と比べて26倍超になった。小型薬品株が超大型薬を生むと凄いことになる。
③損得無しで塩野義に投資をする人が出てくる。
「塩野義よくやった」と損得無しで投資をする人が多くいる。実際に富裕層には社会貢献をした会社の株を買う篤志家的な人が多くいる。
④ホワイト銘柄ファンド、イノベーションファンドなどに組み込まれ、数多くの株価指数にも採用されるだろう。
⑤イメージアップで優秀な人材が多数入社してくるだろう。
国民を苦しめたコロナである。それを救った会社に入りたいと言う学生が塩野義に押し寄せると思う。
⑥株の投資家は挑戦する会社、イノベーションを起こす会社が好きである。
安全志向の人は貯金する。株を買う投資家は挑戦する会社やイノベーションを起こす会社が好きである。スマートフォンを作ったアップルなどがその典型である。
以上が 塩野義の経口薬が「条件付き承認」されても好材料出尽くしで値下がりしない理由であります。
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