東芝が会社を事業ごとに三分割する。
①発電設備や交通システム、エレベーターなどを担う「インフラサービス会社」
②にハードディスクドライブ(HDD)などの電子部品を担う「デバイス会社」
③約4割を出資する半導体大手キオクシアホールディングスや東芝テックなどの株式を管理する「東芝本体」
の三社に分割される。スキームとしては一度非上場化(非上場化後も株主として残ることは可能とのこと)して23年度中に 「インフラサービス会社」 「デバイス会社」 は再上場させる計画だ。現在の「東芝本体」は、半導体メモリーを生産する キオクシアホールディングス や、オフィス機器を手がける上場子会社の東芝テック社の株式を保有し存続する。キオクシア株は上場後に売却する方針だ。
なんなんだこの分割、 「インフラサービス会社」 「デバイス会社」のスピンオフ 再上場 はまだ理解できる。長期計画が必要な 「インフラサービス会社」 と素早い決定が必要な 「デバイス会社」 で事業内容を的確化できる。ただ 「東芝本体」の分割が最悪で、虎の子の キオクシアホールディングス を売ってしまって、残るのは東芝テックだけ、実質 「東芝本体」 は東芝テックだけじゃないか。怒りがこみ上げてくる。

コングロマリットディスカウントと言う錦の御旗でアクティビストに押し切られた。
コングロマリットディスカウントとは事業を多角化している企業において、単体でそれぞれの事業を営む場合と比較したとき、市場からの評価が低下し、株価が下落している状況をいう。
たしかに コングロマリットディスカウントはある、良い例が東芝の半導体である。原子力などの多岐にわたる事業展開によって東芝の半導体は過少評価されてきた。コングロマリットディスカントは日立製作所も気にしていて改革を進めてきた。日立のコングロマリットディスカウント対策は大成功している。日立製作所は2009年にリーマン・ショックの影響で過去最大規模の7873億円の最終赤字を計上したが、その後、グループ再編・構造改革を推進し、2021年3月期には最終利益で過去最高の5016億円にまで回復。株価はこの12年で5倍になった。
東芝のIRに「株主の皆様からの指摘事項には、東芝の株価に織り込まれているコングロマリット・ディスカウントや、執行部の焦点が定まっていないと市場から見られていること、非効率なバランスシートや改善が必要な資本配分、不十分な投資が低成長及び中核事業における競争力の喪失につながっていること、そして脆弱なガバナンスなどが含まれました。」アクティビスは痛いところを突いてくる。それもこれも旧経営陣による粉飾決算が原因である。名門東芝を解体に追い込んだ旧経営陣は万死に値する。
アクティビストの本音は「キオクシアくれよ」、である。
アクティビストは綺麗ごとを言っているが本音は過少評価されている「キオクシアくれよ」である。官邸や通産省やアナリストから東芝分割には強い懸念が出ている。当然の懸念だ。東芝は我が国の原発や半導体やインフラになくてはならない企業である。
曲り屋の武者陵司大先生は東芝の分割に肯定的。また、曲げて本領発揮。
北浜流一郎大先生(最近は卑弥呼のお告げとやらなのソフトの宣伝で忙しい)とならんで 武者陵司大先生は曲げ屋のツートップである。 武者陵司大先生はラジオ日経でGEの分割と対比させながら東芝の分割を絶賛していた。私はそこで信用で買っていた村田製作所を売った。ほぼ高値で売れて12万ほど利益が出た。 武者陵司大先生が東芝分割を絶賛した後、後場東芝の株価はボロボロになった。曲げ屋の本領発揮となった。
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