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アルザスのドイツ系住民は言った「フランス料理が美味いのは知っている、でも俺はドイツ系だがらジャガイモを食べる」

アルザスとは現フランス領の州だ。ドイツ国境に接しドイツとフランスの文化が混在する。文化的にはややドイツが勝る。住民の43%がドイツ語を祖とするアルザス語を話す。ドイツ系のアルザス語を話す人が43%なのになぜ文化的にドイツ文化が勝るんだと疑問に思うかもしれないが、戦後フランスによる激しい同化政策が行われたのでフランス語話者が多くなった。建物とかを見ると完全にドイツ風だ。フランスの同化性政策は近年是正された。喜ばしいことだ。多様性無くして文化無しだ。このような大国ドイツと大国フランスの境界線にあるから何度もアルザスはドイツになったりフランスになったりした。今はフランス系とドイツ系が仲良くやっていて、経済的にも豊かである。

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両文化がリスペクトしあい、経済的に豊かなら問題は起こらない。

ドイツ系はもちろんプロテスタント、フランス系はカトリックである。経済的に豊かでお互いの文化や宗教にリスペクトがあれば問題は起きない。その証拠にアルザスの中心都市のストラスブールは世界的な経済都市でヨーロッパの公的機関が数多く置かれている。しかしリスペクトしあいながらも住人は自身のドイツ系とかフランス系のアイデンティティーを大事にする。

リスペクトとアイデンティティー

リスペクトを和訳してみる「尊敬する」である。アイデンティティーを和訳してみる「 他とはっきりと区別される、一人の人間の個性」である。言葉尻だけとらえると反対語に見える。でもよく考えてみると アイデンティティー があるからこそ他者(他文化)も尊敬できるんじゃないかと思う。

「フランス料理が美味いのは知っている、でも俺はドイツ系だがらジャガイモを食べる」

これは20年くらい前のテレビでアルザス紀行番組でアルザス地方の男性が言った言葉である。目から鱗が落ちた。文化や食習慣は意識して守るべきものじゃないかと思った。アルザスはビールの消費量が多くワインは白が好まれるドイツ文化圏なのだ。でも国籍はフランスだ。島国の日本にはこれが欠如してるのじゃないか。陸地の国境線はない四方を海に囲まれて文化や食習慣が他国の文化に浸食される恐れがない。欲しい先進文化(仏教やお茶や儒教)は遣隋使や遣唐使とかで持って来れば良しと考えていた。守らなくても文化侵略はないと思ってしまってる。私は食こそ文化の根源であると思う。稲は捨てるところがないと言われる物だ。タネはもちろん米に、稲はムシロや草履にしめ飾りに、もみ殻は肥料にと捨てるところがない。日本の文化は米がないと始まらない(琉球、蝦夷地、小笠原諸島除く)。

口卑しくなった最近のマスコミや日本人。

「ニューヨークで人気のカフェが銀座に海外一号店を出店しました」とか「イタリアの本場のジェラート店が原宿に開店しました」とか、「うわーさすが本場の味です。毎週飛行機で本場から食材を空輸するそうです」と女子アナがリポート。そのリポートの後に女子アナが私のSDGsの紹介である。馬鹿げた話だ。航空燃料のかからない地産池消こそ SDGs じゃないのかなと思う。

ドイツ風の建物がならぶアルザス

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