私が学生の頃に理解していた農本主義は 反近代主義 ・反体制主義で共産主義的な物であった。教科書や講義ではその様な説明はなかったが、私の直感的感覚で農本主義は反近代主義で反体制主義の共産主義的な物と解釈していた。私が歳を重ねるうちに農本主義には体制擁護的な右派的性格もあるなと実感するようになった。右派と言ったら大げさ過ぎかもしれないが、日本人の根幹に流れている物の中に農本主義的な物があると感じる様になった。都市や農村の別なく、インテリや非インテリの別もない 、資本家や小作農の別もない、純粋に日本人の中に流れている物が農本主義だと思うようになった。よく調べてみると明治以後には前後して二つの農本主義があった事がわかった。私が学生時代に習った後期の農本主義(大正後期〜昭和戦前期)は反近代主義で体制批判的な性格の物であった。現代でも共産党の党旗は稲と歯車であるから後期の農本主義を信奉しているのだろう。
現代の日本人に流れている農本主義は体制擁護的な性格が強く保守的だ。前期の農本主義(明治〜大正前期)は体制擁護的な性格が強く、社会的には国家に対し地主層の既得権益を擁護しつつ中小自作農層の保護を求める運動であった。
これですべて合点がいった。農本主義に右も左も関係ないんだな、純朴で真面目な日本人の感覚なんだなと思った。
コメをコモディティ商品と認めたくなかった日本人。
コモディティとは一般に、商品をさす。コモディティ投資は、商品先物市場で取引されている原油やガソリンなどのエネルギー、金やプラチナなどの貴金属、トウモロコシや大豆などの穀物といったような商品に投資する事だ。投資に明るい私からすれば先物はいかがわしい物ではない。でも普通の日本人はそうは思はない。「私たちの主食であるコメをトウモロコシや大豆と一緒にするな! ましてや原油などのエネルギーやプラチナなどの貴金属と一緒にするのはもってのほか! コメをマネーゲームにするな!」である。
投資に明るい私でもその気持ちが半分わかる。私は投資もするし稲も作るからだ。私も堂島のコメ先物を潰したのが良いのか悪いのかわからない。
ハーフの高橋ダンさんはどう思うだろう?
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