日本時間の2021年10月13日 21:30発表予定の米消費者物価指数(以下CPI)は世界各国の政策金利を決める重要な指標になるだろう。米国一国には留まらない指標になる。コロナがまだ落ち着いていない去年の年末位から米のCPIは上がり続けている。

米のCPI 安定はしていて、それほどビックリするような上昇には見えないかもしれないが、実態は違う。CPIでは捕らえきれない物価の上昇がある。とにかく飲食サービス業に人が来ないそうだ。コロナで行動変容が起こり低賃金では労働者は集まらなく、実態はチップの上昇や半強制的な付加サービスでCPI以上の物価上昇がアメリカでは起こってる。
半強制的な付加サービスとは?
アメリカでの半強制的な付加サービスを例に出すと「今まではピザ1枚で配達していてくれたが3枚以上じゃないと配達しません」とか「保険会社の運転アシスト機能のない車は車載モニター付けてください」とか「散髪屋の襟足のカットは別料金」とかです。 コロナ後はアメリカだけでなく世界中で行動変容が起こって値上げしやすい環境になっています。日本もアメリカ程ではないけど値上げしやすい環境になっています。(日本でも同じ事が起こってます。多数あった競合他社がコロナと高齢化で激減してしまい仕事を請け負える会社が少なくなりました。それに人手不足ですし、高賃金で人雇ってもそれほど利益はでないので、めんどくさい仕事は受け付けてもらえません)私の会社も小口で低賃金の仕事は受けなくなりました。
そんなCPIでは捕らえきれない物価上昇が世界中で起きています。特にアメリカでは顕著です。
途上国はアメリカが利上げすると自国も利上げをせざるをえない。
米ドルは基軸通貨です。途上国はアメリカが利上げすると自国も利上げをせざるをえない。途上国通貨は米ドルをもって自国通貨の価値への信認を得ているのです。米が利上げすると途上国通貨は利上げをせざるを得ません。債権国で地域大国の日本ではあまりアメリカの利上げを気にする必要はありませんが、途上国では深刻な問題なのです。途上国では米が利上げすると自国通貨の価値が下がってしまいます。たちまち悪性インフレになってしまいます。最近のベネズエラみたいなものです。インフレ→デノミ→インフレ→デノミの連続です。
主要国で利下げしたのは強力な大統領エルドアンが君臨するトルコだけ。据え置き(出口戦略無し)したのは日本だけです。
中央銀行バブルと利下げ競争の終焉か?
「中央銀行バブルと利下げ競争の終焉か?」 と聞くと大変だと思う人多いかもしれません。しかし本来の金融政策に戻ったと歓迎すべきです。 もちろん短期的には株価には悪材料です。しかし、いつまでも低金利、量的緩和を続けるべきではないのです。リーマン以来中央銀行は財務省の役割を兼務するようになりました。政治家のご機嫌取りに終始し中央銀行が民間の資産を買い入れて真っ当な金融市場を駄目にしてしまいました。
金融政策には出口戦略が必要。
金融政策には出口戦略が必要です。そうしなければ日本の様な失われた30年になります。テーパリングや利上げは真っ当な資本主義国家ではやらなくてはならないものです。
今度の米CPIはいい塩梅の数値になって欲しい。
過度に米CPIが上昇すると過激で早急なテーパリングと利上げが起こります。予定では11月テーパリング開始で4月に終わる予定です。6ヶ月でテーパリングを終わらせるののは過激すぎます。通常は一年くらいのスパンでテーパリングを終わらせ、その後一年おいて政策金利引き上げに動くのが普通です。
今現在FRBが計画しているテーパリングと政策金利引き上げはあまりにも早急過ぎて過激です。もう少しソフトなテーパリングと 政策金利引き上げをすべきです。
もし10月13日のPCIが上昇しすぎると、最悪の 早急過ぎて過激なテーパリングと政策金利の引き上げが起きそうです。
いい塩梅で丁度良い米CPIの上昇をのぞみます。金融タカ派もハト派も納得できる落としどころが有る米CPI値になって欲しいです。
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