今日9月30日の引け後SUMUCOはシリコンウエハの建屋建設の為に公募による新株式発行を発表した。
SUMUCO の発表によると国内外の公募増資で約1280億円を調達する。需要が旺盛な300ミリ半導体用のシリコンウエハ工場を新設するなどして生産能力を増強する。
発行済み株式総数は約20%増加する。希薄化率は約17%。発行価格は10月12日から15日のいずれかの日に決定する。
この決定にSUMUCOのPTSは大幅下落している。
PTSは基本あてにならない
PTS価格は基本あてにならない。取引量は極端に少なく、投資家も頭に血が登ってる。またマーケットも情報が断片的で評価を咀嚼できていない。「増資は売り」と言う固定観念で売買してしまう。SUMUCOも「300mm 半導体用シリコンウェーハの需要は、5G・スマートフォン・データセンター・車載向け半導体等の強い需要の継続を背景に、今後も堅調に拡大することが見込まれます。現状の当社グループの製造設備では供給が需要に追い付かない状況となっており、特に、半導体デバイスの性能向上を牽引する最先端のテクノロジーに対応した 300mm 半導体用最先端シリコンウェーハ市場は、より高い成長が見込まれています。
かかる状況を踏まえ当社は、その時々における 300mm 半導体用最先端シリコンウェーハ市場の需
給予想や製造設備の新設・増設に要する時間等を考慮しながら、顧客に対する供給責任を果たすた
めに顧客の需要に応じた段階的な増産を適切に実施する方針を継続し
てまいります。」と発表している。
根本的にJR西日本の赤字の増資とは違うのだ。 SUMUCOの増資は300mm 半導体用最先端シリコンウェーハ の供給が追いつかないための増資なのだ。
先端のシリコンウエハはSUMUCOと信越化学しか造れない
先端のシリコンウエハはSUMUCOと信越化学しか造れない。両者ともシリコンウエハの増設は顧客とマーケットと国から切望されていた。両社の四季報のコメントを見てみよう
SUMUCO「逐次増産の余地が徐々に限られ、建屋建設の検討が本格化」
信越化学「強い需要続くウエハは新規大型投資に前向き」
と載っている。シリコンコンウエハの生産増強は顧客とマーケットと国から切望されているのだ。
明日のSUMUCOの株価は見もの
明日の株価は見ものである。明日だけではマーケットが増資による費用対効果を咀嚼できないかもしらない。数週間は SUMUCOの株価 には注目だ。
唸るキャッシュで信越化学もシリコンウエハの大型投資に動くだろう
信越化学もシリコンウエハの大型投資に動くだろう。日本で2番めのキャッシュリッチ企業だ。キャッシュは唸りをあげている。SUMUCOのような泥臭い増資はしない。信越化学は唸るキッシュで犬小屋でも建てる感じでシリコンウエハ建屋を建てるだろう。
信越化学はアメリカでエチレン工場を今年稼働させる。さらに増設も計画もしている。エチレンは塩化ビニル向けの工場だ。その記事を先週書いた。
シリコンウエハと塩化ビニルと両面作戦を取れる信越化学である。これは強い。
弱いSUMUCOが先に動いた。相当半導体需要は強いのだろう
好財務で高収益で経営巧者の信越化学に先んじて SUMUCO が動いた。あの信越化学を相手にシリコンウエハ工場の建設に動いたSUMUCO。
もう一度SUMUCOのステートメントを見てみよう。
「300mm 半導体用シリコンウェーハの需要は、5G・スマートフォン・データセンター・車載向け半導体等の強い需要の継続を背景に、今後も堅調に拡大することが見込まれます。現状の当社グループの製造設備では供給が需要に追い付かない状況となっており、特に、半導体デバイスの性能向上を牽引する最先端のテクノロジーに対応した 300mm 半導体用最先端シリコンウェーハ市場は、より高い成長が見込まれています。
かかる状況を踏まえ当社は、その時々における 300mm 半導体用最先端シリコンウェーハ市場の需
給予想や製造設備の新設・増設に要する時間等を考慮しながら、顧客に対する供給責任を果たすた
めに顧客の需要に応じた段階的な増産を適切に実施する方針を継続し
てまいります。」 これだけ強気の予想をしているSUMUCOである。
半導体需要は相当強く将来性もあるのであろう。
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