デジタル人民元で中国が人民元の基軸通貨化を狙い始めた。中国は世界最大のドル保有国である。稼いだ金融資産をせっせと米国債や米ドルにもって行っている。基軸通貨と言うのは最後にお金が集まる所なので必然的にそうなる。日本やサウジアラビアなどの地域大国では米国債や米ドルの保有は強みになるが、世界大国の中国ではそうではない。この、最後にお金がアメリカに行く事をどうしても阻止したい。人民元ですべての決済をしたい。各国通貨の価値基準を米ドルから人民元に移行したいと思っている。
基軸通貨の強み
基軸通貨国は強い。軍事力行使しなくても、相手国の経済を麻痺させる。基軸通貨国はお金の流れを把握できる。アメリカは金融取引を禁じると相手国に通告さえすれば、相手国はぼぼ全ての金融決済ができなくなる。これでベネズエラやイランは干上がってしまった。まだイランは地域大国なので政治までは混乱してないが、ベネズエラはもう政治も機能しなくなった。アメリカは世界各国の首脳部や国家の金融資産も把握しており、反米の政治家や国家の金融資産の凍結もやる事ができる。日本はこれをやられて太平洋戦争に突入した。
石油、核心技術、基軸通貨
石油、核心技術、基軸通貨これに踏み込むとアメリカは切れる。石油や核心技術では中国はアメリカに追いついた、石油ではなんといってもユーラシア大陸に国家があるのが強みである。中央アジア、シベリアからパイプラインで石油を確保出来る。船に頼らなくてもよくなった。核心技術でもアメリカは5Gで遅れを取った。原子力、AI技術でも中国に分がある。しかし基軸通貨はなかなかアメリカの牙城を崩せない。人民元自体が通貨バスケット制の実質的な管理通貨だ。これでは基軸通貨にはなれない。実際世界三大通貨は米ドル、ユーロ、日本円だ。中国はまだまだ人民元安の恩恵を享受したいようだ。
しかし基軸通貨化の準備は怠っていない。
アジアインフラ投資銀行の創設、人民元決済、デジタル人民元
中国はアジアインフラ投資銀行の創設、人民元決済、デジタル人民元と着々と準備をおこなっている。アジアインフラ投資銀行にアジアと付けるあたりに中国のしたたかさがある、アジアと付けて、さも一地域だけと矮小化しているが、批准国は世界各国に広がっている。アジアインフラ投資銀行に世界銀行やIMFのような役割を中国は望んでいるのだろう。

アジアインフラ投資銀行はこれだけ規模を拡大してきている。主要国では日本とアメリカだけが批准してないない。
日本はデジタル人民元にも一枚噛んでおけ
日本もデジタル庁を発足させて、ようやくデジタル日本円を考えるそうだ。遅い対応だと思う。
デジタル人民元とデジタル日本円との通貨スワップ、人民元通貨バスケット制での日本円の割合を増やすなどの対応は必要だ。(そもそも 人民元の通貨バスケット制 をやめるべきだが)
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